2010年に公開されたこの映画、
当時今以上に実写化嫌い人間だった私は
「は？マリみてまで実写化とかふざけんなよ私の神聖な百合を穢すな！！」
とまで憤ってました。

今年になってマリみて熱が再来し、実写化も初めて見た感想です。
結論から言うと、とてもよかった。


そして声を大にして言いたいのが

滝沢カレンの聖様が最高。

全体の感想としては、大学の映研が作ったみたいな出来で
(照明の暗さ、演技のぎこちなさ、テンポの悪さ等)、
そこらへんが実写版の『零』を彷彿とさせる。

しかし百合映画好きには『マリみて』と『零』はどちらも見てほしいと思った。

どちらの映画もとにかくビジュアルがよろしい。
何故ならどちらもモデルを沢山起用しているから。
そのぶん演技は女優に劣るけどなんかもうとりあえず可愛い女の子が
綺麗なポートレート撮ってるくらいの感覚で見てほしい。幸福度が増す。


話を『マリみて』に戻すけど、
波留、滝沢カレン、広瀬アリスなど現在ではかなり売れっ子のみなさんが出ている。
が、当時はみんなまだモデルだった(はず)。
なので今と比べるとなんだか微笑ましいのでやっぱり演技面は期待しないで見ると良い。


でね、そんな中でも薔薇様3人が素晴らしいんですよ。
雰囲気、気品、話し方、すべてにおいてパーフェクトなのではないかと私は言いたい。

水野蓉子…平田薫
鳥居江利子…秋山奈々
佐藤聖…滝沢カレン

という配役だったんだけど、まず蓉子様。
あのドンと構えた懐の深さが見事に表現されてると思った。
ほとんどのシーンをニコニコされてるんだけど、すんげえ美しい。
ゆっくり聞き取りやすい喋り方もさすがだなという印象。
平田薫さんはアミューズ所属らしい。なるほどな！(アミューズ贔屓)

江利子様の秋山奈々さん(現在は秋山依里という名義らしい)の何がすごいって
一人めっちゃ滑舌いいんだよ。
若干芝居がかってるように聞こえる人もいるかもしれないけど、
私はあれわざとなんじゃないかなって思ってる。
だってもうそれが江利子様そのものだったから。
アニメの江利子様のどこか掴めない、はっきりものを言うときは言う、
そしてお嬢様だなー！と思わせる喋り方、全部そのまんまだった。

そして今回私が声を大にして言いたい聖様。
滝沢カレン(CV.豊口めぐみ)って感じ。
バラエティでの本人しか見てなかったからギャップで余計に感動したのかもしれないけど
「えっ今聖様しゃべった！？聖様そのものでしょ！？えっ！？」
ってビックリした。
内から出るものなのか、飄々とした喋り方とか「祐巳ちゃん」のイントネーションが完璧。
あと綺麗な顔してるから柏木さんに怒ってる顔こええ。
もともと聖様だいすき女だからかもしれないけど、90分ほんっとにずっと聖様追ってた。


主人公の祐巳は未来穂香さん(現在は矢作穂香という名義らしい)も
非常にかわいらしく、表情がはっきりしているところがなんとも祐巳らしい。
ただ元気、というより、おどおどふにゃふにゃ、という感じだったかな。
でも逆に作品全体の雰囲気に合っていてよかったかもしれない。
ビックリしてるときの顔とかめっちゃわかりやすくてかわいかった。


残念な点としては、江利子様以外の黄薔薇ファミリー
つまり令と由乃がほとんど、どころかマジで全く目立ってなかった点。
尺の都合上仕方ないとはわかっているんだけど、もう少し…
もう少し台詞を追加できんかったのだろうか……。
令は一回だけしっかり台詞喋ってしっかり映るシーンがあるんだけど(本当に1シーンだけ)、
由乃に至っては台詞喋ったことは覚えてるけど、顔映ってたか…？というレベル。

これは由乃ファンとしてはつらい！
まあでも、そもそも令と由乃(特に由乃)は
祥子様と祐巳が姉妹になったあとにクローズアップされて
ロザリオ返却事件を経て祐巳と由乃が仲良くなったわけだから、
今回の、非常に原作に忠実に作ってくれた映画で二人の出番は元々ないんだよね。
残念……。でも仕方ない。



と、いうわけで感想おしまい。
『マリみて』ファンは一度見てみてください！

滝沢カレンもっと女優デビューしないかなあ。